次回予告
 

■説三『華江戸暗流』■
場面 奇士たちに導かれ、日比谷の地下に存在する「蛮社改所」の本部に足を踏み入れた往壓。そこで、捕らえた山子を調理して食べる奇士たち。彼らは改めて、往壓に奇士となるよう勧めるのだった。一方、央太は往壓とともに暮らしたいと胸の内を語る。往壓は自分の行くべき道を定められないままだった。その頃、江戸の各地で鎧の妖夷が出現していた。ある具足屋で、狂った様に黄金の鎧を探す老人を見る往壓。その老人には異界の陰があった。

脚本/會川昇
絵コンテ/宮地昌幸
演出/宮地昌幸
作画監督/谷口淳一郎 松田剛吏
美術監督/佐藤豪志



各話解説



【人別(にんべつ)】
人別帳の略。江戸時代の領主(りょうしゅ)が領内(りょうない)の戸数、人数などを把握するために作成した戸籍簿(こせきぼ)のようなもの。


【明け六つ(あけむつ)】
当時は現在のように一日は二十四時間ではなく、昼と夜をそれぞれ六等分して一刻(いっとき)と定めた。したがって一刻(いっとき)は約二時間となり、明け六つは午前六時ごろを指す。


【黒船来航(くろふねらいこう)】
嘉永六年(1853年)、浦賀沖にマシュー・ペリー提督の率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊が来航した。時の老中首座阿部正弘(あべまさひろ)は、ペリーの持参したアメリカ大統領からの国書(こくしょ)を受け取るが、開国を促す内容に即答はできないとして一年間の猶予(ゆうよ)を得る。しかし、わずか半年後に再び黒船が来航。交渉(こうしょう)の末、日米和親条約締結(にちべいわしんじょうやくていけつ)され、日本は開国するに至った。


【薬食い(くすりぐい)】
肉食は禁忌(きんき)であったが、肉を食べて滋養(じよう)をつけるという言い訳で、庶民はこっそり肉を食べることがあった。それを薬食いという。江戸市中(えどしちゅう)には、山鯨屋(やまくじらや)と称する猪や鹿などの肉を食べさせる店も出ていた。

薬食い1

薬食い2


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