次回予告
 

■説五『ひとごろしのはなし』■
場面 生き人形に乗り移った妖夷、倛倛を漢神で倒す往壓。
格闘の最中、鳥居耀蔵の命によってアトルの馬、雪輪が捕らえられてしまう。
往壓はアトルを匿うが、彼女は往壓の傍に悪魔の姿が見えると言う。
その頃、岡引の玉兵がお篠という女性を連れて小笠原の屋敷を訪れる。
往壓の昔馴染みだというお篠は、十五年前、往壓が犯した罪を訴えに現れたのだった。
その罪とは……。

脚本/會川昇
絵コンテ/坂田純一
演出/安斎剛文
作画監督/谷口守泰
美術監督/佐藤豪志



各話解説



【切捨て御免(きりすてごめん)】
武士は無礼打ち(ぶれいうち)というものが許されていた。それを切捨て御免ともいう。無礼を働いた町人や農民を切り殺しても罰せられないというものだが、正当な理由があって目撃者や証人がいなければ罰せられた。



【水野忠邦(みずのただくに)】
天保十(1839)年に老中首座に着任。十二代将軍徳川家慶(とくがわいえよし)のもと、側近(そっきん)の鳥居耀蔵を用いて天保の改革を行った。だが、その改革は様々な面で失敗、庶民の反発を買う。天保十四(1843)年、上知令(あげちれい)を断行(だんこう)しようとして大名や旗本から反対される。それを直接の契機として、同年、老中を罷免(ひめん)される。翌年には老中に再任となったが、かつての権威が復活せず、再び辞職に追いやられた。

・上知令(あげちれい)
江戸・大坂十里四方(じゅうりしほう)の大名・旗本の知行地(ちぎょうち)を没収して幕府の直轄領(ちょっかつりょう)にしようという法令。海外勢力に対する防衛策として江戸・大坂の防備を固めることなどを目的とした。大名・旗本の反対にあい失敗に終わった。



【内藤新宿の十二社(ないとうしんじゅくのじゅうにそう)】
内藤新宿(ないとうしんじゅく)、現在の新宿界隈(しんじゅくかいわい)に十二所権現(じゅうにしょごんげん)があった。紀伊国(きいのくに)熊野(くまの)から移し祀った(まつった)もので、新宿の総鎮守(そうちんじゅ)であった。



【二本差し(にほんざし)】
江戸時代、武士は二本の刀を帯刀(たいとう)できたことから、二本差しと呼ぶことがある。二本とは、大刀(だいとう)と脇差し(わきざし)のこと。



(c) 會川昇・BONES/毎日放送・アニプレックス・電通